7&iHD(3382)傘下のそごう・西武百貨店がストライキを決行すると発表している。
どうしてこんな事態にこじれたのだろうか。
記事は昨年2月。収益性の低い百貨店事業を売って、コンビニに集中しろということだった。
これを機に7&iHDの株価は上がっていき、紆余曲折を経て売却先が見つかった。
ヨドバシとファンドの連合が購入し、池袋など一等地にある百貨店の低層階をヨドバシの店舗に変える構想だった。決まったのは昨年11月。
21世紀になってからストライキで何かが困った、という話は本当に効かなくなった。
1990年ころはまだ、たまにストライキがあって電車が止まるという話を聞いたものだった。
最近では電車も飛行機もストを聞かない。
ストライキは会社の経営側と労働者が意見を合意できない場合に起こす。多くは春先のベースアップ、つまり給料を上げてほしいという要望だ。
1990年代頃から聞かなくなったのは、デフレによるものと、不況で会社に体力がなく、ストをやっても要望を聞いてもらえないと労働者側があきらめたためもあるだろう。
今回のそごう・西武のストは言うまでもなく、売却に伴う待遇の問題だろう。
ストは池袋本店で実施され、会社側の発表では、スト当日は池袋本店は臨時休業としたそうだ。
労働者側は業態の変更による売り場の縮小により解雇されることを気にしていると思う。仮に新店舗のヨドバシが人員を引き取るといっても百貨店と量販店では売り方が異なる。多くの従業員には納得いかないものだろう。
ストはおそらく平穏に実施され、翌9月1日は営業されるのだろう。
その9月1日には売却手続きがされると日経が報じている。
1日のストでは意味はあまりないだろう。フランスなどのように1週間、あるいはそれ以上続ければ効果があるかもしれない。
しかしそれによって経営側とは決定的な決裂になるだろう。
経営側はその前に売却を決定したいということだろうか。
ヨドバシは嫌いではないが、そごう・西武がなくなるのはちょっと寂しい。
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