東北地方の銀行を傘下に置く、じもとHD(7161)の議決権の63%を金融庁が確保見込みだ。国有化になるということだ。
銀行の国有化は最近聞かなかったが、地方の銀行の経営の厳しさを表す事件のようだ。
じもとHDは東北地方の地方銀行を傘下に置く企業で、山形のきらやか銀行と、仙台銀行が属する。
2012年に経営統合して始まったのだが、経営は予想通りうまくいかず、今ではSBIHD(8473)の子会社が筆頭株主になっている。
株主とは別に公的資金の注入の際に優先株が国に発行されていた。これには通常議決権が発生しないが、無配の間は議決権が生じる条項があるようだ。
じもとHDの経営が危うく、優先株に対しても無配になった。このため、優先株を持つ金融庁に63%の議決権が生じる。
4月26日に公表した2023年度の決算が赤字となって、普通株式だけでなく優先株にも配当を出せなくなった。
銀行の国有化といえば、2000年直前の長銀、日債銀の破綻時がまずあった。これは2015年に完済されている。
その後はりそな銀行が2003年に自己資本不足から実質国有化された。
長銀を受け継いだ新生銀行はいまだ完済していない。日債銀を受け継いだあおぞら銀行は、2015年に完済している。
発表を受けて経営の効率化が予測され、株価は430円まで上がったが、週末に至って発表前よりも下げている。やはり赤字であるという点から、企業に魅力がなく、下げていると考えられる。24日の終値は379円。
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