SBI証券、楽天証券の国内株式売買手数料無料化まであと数日。そんな日にauカブコム証券も後れを取るまいと新NISAでのサービスを改良すると発表した。
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新NISAを機に証券会社を乗り換える人が多く出そうだ。その恐れからなのか、SBI証券も楽天証券も国内株式手数料無償化を打ち出している。
ネット証券5社(SBI、楽天、マネックス、auカブコム、松井)の中では、マネックスは追従しないと宣言し、松井証券は米国株に限定して無料化を発表している。
SBI証券もさらに、新NISA口座がある場合は海外株、ETFの手数料を無料にすると発表している。
沈黙してきたauカブコム証券から新NISA向けの発表があった。
詳細はこちら参照。
auカブコム証券はちょっと前にauのマネ活プランにも関与しているが、さすがにそれだけで生き残れるとは考えていなかっただろう。他社の動向を見て、今回の発表になったようだ。
ポイントは5つあるが、大口のユーザ向けは除いて3つについて見ていこう。
まずは他社対抗の手数料無料化の話。
auカブコム証券では米国株株式の売買手数料を無料にする。
合わせて国内のプチ株(単元未満株)の売買手数料も無料にする。条件は新NISA口座の開設だ。
資金の少ないユーザにとってプチ株手数料が無料になるのは魅力的であり、また日本株に比べて米国株の上げ方は魅力的だ。どちらも無料になるので手数料の分も投資に回すことができる。
auカブコム証券はもともとMUFGのネット証券だったが、auが株式を購入して現在の社名になった。MUFGとのつながりはまだあるようで、モルガンスタンレーMUFG証券の取引基盤を活用してSORと取引執行アルゴリズムを追加料金なしで提供する。2024年前半に提供予定だ。
何が良いかというと、東証以外のPTSの気配値も参照し、よりよい、つまり買いなら安く、売りなら高く売買できる取引場を選択しなおして、顧客にとってより良い売買を提供できるようになる。
この取引方法の変更で改善できる金額は下図によればわずかなものだが、デイトレをする者には響く内容だろう。何度も取引するならこの金額が何十倍にもなって戻ってくるのだ。
デイトレユーザにはうれしいもの2つ目。
デイトレ信用は返済期日が当日のデイトレ専用の信用取引で、今まで手数料1.8%だったものが無料になる。デイトレユーザには上のものと合わせてうれしいだろう。
SBI証券や楽天証券と同じ土俵にのって競っても勝てる見込みはない。となればニッチなエリアを攻めていくのが常道だ。
新NISAで手数料を無料化してSBI証券、楽天証券と同じような動きを見せつつ、狙いはデイトレユーザを集めていくことではないだろうか。
ただ、集めても手数料を無料化するので証券会社にはメリットがなさそうだ。ユーザを集めることで別のサービスで収益が上がるのだろうか。
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