セゾン投信をやめて独立系の投信を立ち上げた中野氏率いる、なかのAM。運用する2投信の2024年5月の運用レポートが掲載されているので見てみよう。
春から運用が始まったなかのAMの2投信。なかの日本成長ファンドとなかの世界成長ファンドだ。
セゾン投信のころはインデックス投資が絶対でとにかく手数料、コストがかからない投信を送り出していたが一変し、アクティブファンドとして銘柄をじっくり分析するファンドになっている。
日本成長ファンドは個別株を組み込み、世界成長ファンドはファンドオブファンズ構成で当面運用していくそうだ。
日本成長ファンドはコモンズ投信やひふみと競合するのでは?って思っている。
開始時の記事はこちら。
2つの投信の5月の成績がWEBに掲載されている。
インデックスファンドではないので指数と比較するのはちょっと乱暴だが、日本成長ファンドはTOPIXと比較されている。
TOPIXは4.2%弱の上昇をしているが、なかの日本成長ファンドは逆に-2.5%と下げている。今の日本市場は半導体関連がけん引しているので、なかの日本成長ファンドに半導体関連銘柄が少ないから上昇を享受できなかったのだろう。
ちなみになかの日本成長ファンドを構成する銘柄は下記のようになっている。
一方でファンドオブファンズ構成の世界成長ファンドと比較する指標は、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み・円換算ベース)になる。
こちらも指標の方が上で、世界成長ファンドは若干下だ。3.9%に対して3.4%だ。MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの要点をまとめた構成にできたといえるだろう。
ちなみに投資先はUSが22%、USドルが36%なので、半導体関連の銘柄が大きなウェイトを占めていそうだ。
各ファンドの投資先は以下のようになっている。マイクロソフト、TSMCと有名どころだけでなく、イーライリリー、ASML HDも入っている。
NVidiaの名前が見えないのは急激な上昇のため買い増しできていなかったのだろうか。
優秀なポートフォリオマネージャとアナリストがいれば、将来有望な銘柄を発掘して、テンバガーになる銘柄も出てくるかもしれない。
しかしそこは投信。1銘柄が良くても他はよいとは限らず、平均化されていく。平均化されている中でも基準価額が上昇していけば、そしてそれが期待する上昇であれば問題はない。
1年、2年経ってなかのAMの投信が唯一無二の存在になっていれば、これらを選択するべきなのだが、ひふみの失速もあった。どこまで信用していけるかは少なくとも2,3年は見ていかないといけないだろう。
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