お菓子や冷蔵品、アイスクリームを手掛ける食品メーカーの江崎グリコ(2206)が苦境に立っている。
基幹システムを更新したらシステム障害で停止。おかげで冷蔵品の出荷が全くできなくなり、その対策は6月までかかると発表していた。
8月にやっとプッチンプリンの出荷再開の見込みが立ったようだ。
前回の記事はこちら
現状のグリコの復旧状況は相変わらず発表されていないのでわからないが、このほど一部商品の出荷再開が発表された。
発表によれば、以下の商品を8月6日以降に出荷再開するそうだ。
合わせてキリンビバレッジから販売委託されているものも再開する。
出荷できないものがあとどれだけあるかわからないが、正常化にはまだ時間がかかるようだ。
今回のシステム改修はSAPへの移行と聞いているが、SAPほど売れているものがなぜ?と疑問だった。
色々調べたらもっともらしく感じた記事があった。(真偽はわからないが)
ところがSAPは、海外のアプリケーションなので、彼らの都合で作られており融通が全く利かないようです。このあたり、専門家では無いので詳細は分かりませんが、日本の業務システムに適用しようとするとカスタマイズの嵐になるそうです。
カスタマイズはお金もかかりますし、全体の整合性を取るのに苦労しますので(ひとつや二つのカスタマイズで済むことはありませんので、複数の整合性を取る必要が・・・)、システム全体として整合性を取るのが難しくなります。
いっそのこと、業務自体をSAPに合わせるしか手は無いと感じます。
ただ、どこまで業務を変えられるかの共通認識(社内コンセンサスかな?)を社内で取るのが大変です。大概、現場は言うことを聞いてくれませんし、今回のように出荷できない事態になったら現場の責任になってしまいますので大きな抵抗があります。
要するに、
この認識がSAPを導入する部門、経営層、生産現場であっていないから、不幸な基幹システムの更新遅れ、出荷停止に至ったようだ。
ユニ・チャームも同様の目にあっているそうだし、他にもSAP/HANAへの更新を発表している企業はいくつかある。
いったん始めたプロジェクトは止められないだろうけど、こんな事例が出ている以上、経営層は再考が必要と思う。
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