三井住友銀行が外貨建てのソーシャル預金を開始すると発表した。
外貨建ての預金は難しい。どういう点が難しいかも合わせて書いておく。
ソーシャルレンディングというのは聞いたことがあるが、ソーシャル預金は初耳だ。
三井住友銀行の発表を見てみよう。
引用する。
「ソーシャル預金」とは、お客さまからお預かりする預金を、貧困・格差等の社会課題解決に取り組むファイナンスに充当することで、お客さまにサステナビリティ分野での資金運用機会をご提供する商品です。ソーシャル預金を通じて、法人・個人・大学・行政等の社会のさまざまな構成員が垣根を越えて連携し、社会課題の解決に向けた資金循環を生み出す仕組みづくりを推進します。
資金を集めて、社会課題の解決に取り組む人に貸し出すということのようだ。
今回の預金は、個人向け、法人向けと2つあるのだが、どちらも外貨定期預金だ。
個人向けは最低預入が50万USドル、法人向けは100万USドルとなっており、気軽に参加することはできない。
金利はこのプレスには書かれていないが日経によれば年利4.5%だそうだ。
ようやくゼロ金利政策が終わって、まともな金利が期待できる状況になってきたが、4.5%なんて何年先になるのやら。
外貨による預金には為替差損がつきものだ。自分自身はかなり昔に外貨預金をやっていたが、得られる金利よりも為替差損の方が大きく、結局損してしまったこともある。
仮に年利5%の金利として、150万円を1$=150円でUSドルの定期預金に預けたとする。
まず為替手数料が発生するがここでは無視する。150万円は1万ドルになる。
1年後に5%の金利で、10,500ドルになる。
この時、為替が1$=150円のままなら、157.5万円だ。こちらも5%の金利だったということになる。
しかし為替が一定であることはまずないので、ここでは円安、円高に振れた場合を考えてみる。
1$=150円からさらに円安が進み、1$=160円になったとする。この場合はラッキーだ。
168万円になるので、12%になる。夢のような金利だ。
行き過ぎた円安は円高に向かう。様々な要素があるので必ずしも振り子のようにふれないが、ここでは振れたとしよう。
1$=150円から円高になり、1$=140円になったとする。
この場合は円に戻すと147万円だ。金利はマイナス2%になる。
だから為替が絡む外貨預金は難しい。
もし外貨で資産を運用するとしたら、円に戻す前提はやめて、ドルのままで使う方法があればいいだろう。
SBI証券ではドルでUSの株を買うことができる。外部からドルを口座に入金できるようになれば使い道は増えそうだ。
PR