日経のニュースによれば、以前見たニュースがより具体的になったとのこと。
報道によれば、東京都は早ければ2025年4月から新築住宅に太陽光パネルの設置を義務化する。
引用する。
12月の都議会に関連条例の改正案を提出。条例可決後、2年間の周知期間を経て施行する。事業所や工場など一定規模の新築物件に設置を義務付ける例はあるが、戸建て住宅を対象とするのは全国初となる。
今年については春先の停電警報、夏前にも何日かあり、冬はさらに厳しい状況になると予想されている。
もちろん原発の停止が主な原因だ。2013年に始まりもう10年弱。原発は安全性を確認できない限り再開できない。
このため数十年に渡って続いてきた電源計画が一気に狂った。それまで原発は電気の3割から半分を賄う主力であり、ガス発電、水力を微調整に使ってきた。
ところが震災により原発の安全性に疑義がつき、再検討の結果問題がないとならないものは使用できない。
一気に電力供給の主力の座から滑り落ちた。
代わって主力になったのはガス発電であるが、これにより二酸化炭素の発生が多くなっている。
今年の世界各地の異常気象、高温、多雨、万年雪の消失の原因は地球温暖化であると言われており、二酸化炭素の削減は待ったなしだ。
つまりガス発電に頼る発電は減らさなければならない。
おまけに昨年あたりからガスの価格が高騰し、ウクライナ危機によりさらに争奪戦となり、電気代は高くなった。この状況は早く収束すると思えない。
ガス発電が二酸化炭素の排出と価格高騰で不安定にになり、代わりの電源がもとめられる。しかし原発はすぐには使えない。待ったなしなのに代わりの有効な手がない。
もう数年前から予兆が出ており、国に先行して東京都は条例を制定するようだ。
まず、設置には費用がかかる。ただではパネルを持ってきてもらえない。その分新築住宅の価格に上乗せされる。
また、義務の対象が消費者ではなく、工事業者という点に注意が必要だ。
引用する。
都の制度案では、義務化の対象は住宅を購入する都民ではなく、住宅を販売する戸建て住宅メーカーとしている。都は都内で事業展開する戸建て事業者のうち、供給棟数の多い上位50社程度が対象になると想定している。
上位50社に入らない工事業者で建てる場合は工事業者に義務はない、となる。その場合は抜け穴になるのだろうか?この手の法律はとかく効率を優先して全数を対象としたがらないが、例外なく対象にしなければ方針は徹底されない。つまり一部の消費者のみ負担を強いられて損をする、となるだろう。
なぜこの時期に義務化するのだろうか。意外な事実がわかる。
引用する。
都は30年の温暖化ガス排出量を2000年の半分に減らす「カーボンハーフ」を政策目標に掲げる。20年時点では事業所や物流関連といった産業部門の排出量が00年を下回ったのに対し、家庭部門は逆に3割増と対応が遅れがちだ。家庭部門の削減策として新築戸建てへの太陽光パネル設置の義務化に踏み切る。
工場や産業は達成済みという。確かに都内の工場は数か減って、代わりに物流センターやマンションか建つので、達成していても違和感がない。
しかし家庭が逆に3割も増えたとは驚きだ。増加の原因は、おそらく先に示した電力供給がガス発電にシフトしたためであろう。
再生可能エネルギーの筆頭になった太陽光発電だが、実は安定した電源ではない。
夜間は発電しないし昼間でも曇ると発電量が落ちる。雪が積もれば晴れていてもパネルが発電できない。
こんな不安定なものに頼るしかないのが現状だ。電力業者は難しい制御を強いられる。それでも太陽光バネルに頼るしかない。大停電を避けるためには。
PR