驚いた。数年前まではこんな話題はなかったはずなのだが、コロナ禍を境に行動様式が変わったため、航空路線の維持が難しくなったのか。
ANAが地方路線の6割が赤字で維持が困難と悩んでいるようだ。
この記事を見るまで、そんなことはないと思っていたのだが、確かに先日の決算はさえなかった。
ANA 国内赤字路線6割 2506 出典:朝日新聞
国内線は出張需要が戻らない一方で、燃料などのコストは上昇している。航空各社の協業や、訪日客をどう取り込んでいくかが、議論の焦点になる。
国交省によると、国内線の日帰り旅客のうち「出張・業務」を目的とした人の数は、2019年の約317万人から24年には約103万人にまで減少。一方、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の営業費用は、18年度から24年度にかけて16%増えた。
確かに遠隔地の出張はリモート会議の発達により頻度が減ったと思う。お客様と対面しないとできないことはあるのだが、対面をして関係ができればリモートでの打ち合わせで困ることは少ない。
またコロナ禍では単身赴任の解消も進み、単身赴任者が家に帰ることも減ったと思う。
しかし5年間で1/3まで減っているとは。
ANAの役員はこう語る。
有識者会議に参考人として呼ばれた同社の松下正上席執行役員は「国内線の収益性は著しく悪化し、ネットワーク(路線網)の維持が困難な状況だ」と窮状を訴えた。
地方は路線を維持してほしいだろう。しかし赤字のままでは航空会社が倒産してしまう。
適切な料金に値上げすればますます利用客は減るだろう。といって税金による補助金投入は避けたい。
まずはLCCのようにサービスを絞った航空会社に路線を引き継いでもらい、そのうえで赤字になる部分は値上げとするしかないだろう。
後は路線の頻度を下げる。1日数往復があれば1往復、2往復に減らす。すでに1往復になっているなら毎日ではなく隔日あるいは週に2便と減らす。
そこまでやっても収益を確保できないのであれば、JALもANAも共同運航便のようにしてどちらか1社で運行を続けるのもいいだろう。
それもダメなら撤退が視野に入ってくる。根本的に需要がない路線であれば就航する意味がない。
思うに、数年前に北陸新幹線が金沢、福井まで延伸した。その前には北海道まで新幹線が伸びた。電車で4時間以上かかるところなら飛行機のほうが早くなることが多いのだが、新幹線の延伸により飛行機から電車にシフトが進み需要を減らしたという面もありそうだ。
このまま放置ではだめだが、無理をして維持するにも限界がありそうだ。
適切な判断が有識者会議で出ることを望む。
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