昨年来、TOB、MBO、企業買収の話がひっきりなしだ。今年もいきなり田辺三菱製薬の売却の話が出ている。
昨年から年越しのTOBといえば富士ソフト。ここではKKRとベインというUSの投資ファンドが対決している。
昨年降ってわいたカナダのコンビニによる7イレブンの買収の話にも、対抗するMBOの資金源としてKKRはかかわっている。
と、昨年来のTOB,MBO,企業買収の陰にUSの投資ファンドの姿が見える。見えるようになった理由は円安と、日本企業の経営体質が改善され、投資してもいいと判断されたのだろう。
それ以上に、今の日本以外に適当な投資先がないのかもしれない。中国はデフレ一直線、韓国は政治混乱、ヨーロッパは長引くウクライナの問題、中東は火種を抱え、アフリカはまだまだ。インドも最近はいまいちだ。
そうなると常に収益を上げないといけないUSの投資ファンドは、少しでも芽のある日本に全力投資なのだろう。
今年は何件こういう案件があるのかわからないが、三菱ケミカル(4188)が傘下の田辺三菱製薬(非上場)を売却する動きがあるようだ。
もともと三菱ケミカルはいろいろな会社を統合してできた企業で、コアではない分野の事業会社を整理するつもりがあったようだ。
その筆頭が製薬事業の田辺三菱製薬で、三菱化成にあった製薬事業と田辺製薬が合併してできている。
企業の沿革を見たら、三菱化成の製薬事業にはミドリ十字もかかわっている。ミドリ十字といえば薬害エイズで問題になった企業だ。その後立ち行かなくなって合併になったのだろう。
市販品よりは病院で使う薬を作っているようなので一般にはなじみが薄いこの企業だが、将来性があるのだろう。売却する噂と、それを買うというUSベイン社が報道されている。
三菱ケミカルグループが医薬品子会社の田辺三菱製薬の売却にむけ、米投資ファンドのベインキャピタルに優先交渉権を与えたことがわかった。売却額は5000億円超になるとみられる。新薬開発に多額の費用がかかる医薬品事業を切り離す方針で、本業の化学系事業の立て直しへ経営資源を集中する。
あくまでもまだ噂の段階だが、USのベイン社に優先交渉権を与え、その額は5,000億円をこえるという。
三菱ケミカルの悩みは高すぎる新薬開発の費用だった。電機メーカーが研究開発コストがかかる半導体を次々と切り離していったことと同じように見える。
その後半導体業界は衰退し、日本に残るのはごく一部の企業のみになった。半導体だけでやっていくのは非常に難しいということだろう。
同様に、新薬開発に専念できる環境になるとはいえ、資金の裏付けをなくしおそらく将来はどこかと合併するなどで生きていくしかなさそうな田辺三菱製薬。その5年後、10年後の姿に社名が残っている可能性は低そうだ。
三菱ケミカルの株価は不調な決算見込みにより下げており、田辺三菱製薬の売却による資金で立て直しを図るようだ。
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