キャンプ用品のスノーピーク(7816)が大きな減益を発表し、直後にMBOの報道が出ている。
一体何が起きているのか
まず最初に2月13日に発表された2023年度の決算では、前期比66.9%減の11.9億円に連結経常利益が落ち込んだ。
当期利益はわずか100万円にまで落ち込んでいる。
これを悲観して、翌日以降の相場では投げ売り状態になり、16日の終値は838円だった。2023年1月の高値からおよそ1/3だ。
ご存じな方も多いと思うが、キャンプ用品やそれに関するものの企画と販売だ。
コロナウィルスの蔓延期には他人と距離を保つためキャンプが流行った。スノーピークはその流れに乗って業績を拡大したのだが、コロナウィルスの終息に伴って事業の先行きの見通しが立たなくなった。
最近は中古販売店にキャンプ用品を売りたくて持ち込む人が多いと聞く。勢いで買ったがそんなに使わないことに気づいた人が処分しているようだ。
スノーピークの立て直しを、前のCEOが乗り出して対応するようだ。
会社の立て直しにファンドが貢献することは多い。
新生銀行、すかいらーくHD(3197)、スカイマーク(9204)これらは一度上場廃止して経営を立て直してから再上場した例だ。
ファンドによるMBOは経営危機の企業の再建の場合によくあるのだ。問題は、今回は決算で株価が下がった直後に噂が出ている。
今回は米ベインキャピタルが500億円規模の資金を用意して、TOBを仕掛ける。株価はちょうど下がった時期だから成功の確率は高い。
決算前であれば買収のための資金はもっと多く必要だった。TOBしやすいように意図的に株価を下げた、と思えなくもない。
もちろんどこにも法律違反はない。
ただ道義的に、株価が下がったころ合いを見てMBOを仕掛けるというところは、まるでそれを待っていたかのようだ。
経営陣がやっているのだからインサイダー取引ではない。しかし株価の急落で損をした投資家がいる中でこのやり方は果たして許されるのだろうか。
自分はスノーピークを買っていないが、持っていれば二度と似たような事業をする会社には投資をしないだろう。もっともスノーピークが経営再生するかどうかもまだわからないが。
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