トヨタ自動車(7203)が1兆円の自社株買いの一環で、MUFG(8306)などが持つ政策保有株の買取を行う。
政策保有株が徐々に減っていき、企業にとっては安定株主がいなくなり、より堅実な成長戦略が求められる。
ブルームバーグによれば、トヨタ自動車が1兆円の自社株買いの中で、MUFG、三井住友FG,東京海上日動火災保険、MS&ADがもつ政策保有株を買い取る。
政策保有株は投資目的ではなく、互恵関係にある企業がお互いの株を持ち合う、というような形態だ。株価が下がってしまうのは論外だが、投資目的ではないのでよほどのことがない限りは売却しない。つまりは安定株主として期待できる。
株主優待がある企業は無数の個人株主が優待目当てで売らないので、これも安定株主だ。しかしいったん優待の内容を改悪するとどんと株価が下がり、逃げ出す株主が続出する。
そういう心配もないので日本では長年政策保有株を持つ慣習が続いてきた。
しかし近年は欧米の影響もあって資本効率をよくするために無駄に持っている資産を縮小する動きがある。このため、政策保有株を売って、株主還元する企業も出ている。
今回、トヨタ株を売り出すMUFGなどは2025年3月期の利益を押し上げて好決算になるだろう。
今週の株安が今後も続けば、大きなボーナスになりそうだ。
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