損害保険大手のSOMPO HD(8630)がUSの損害保険会社を買収した。今後もM&Aを継続するそうだ。背景に何があるのだろう。
SOMPO HDはじめ損害保険会社は近年の事件で収益確保先が細りつつある。もちろん自動車保険や地震保険はあるのだが、自動車保険といえばビッグモーター事件で、中古車販売側とグルになって不正請求をしていた。昨年は地方自治体との契約でカルテルを結び、課徴金を取られている。
他にも情報漏洩で代理店出向をやめることになりと、今までの仕事のやり方ができなくなっている。自業自得ではあるが。
このため、新たな収益を得るためなのだろう、USの損害保険会社を買収している。
SOMPO HD US損保会社を買収 2508 出典:ブルームバーグ
米国などを中心に展開するアスペンを約5200億円で買収すると発表した。同社株を1株当たり37.5ドル(約5600円)で全株を取得する。2026年上期中に買収手続きを完了する予定。買収資金は手元資金を充てる。
SOMPO HDは2030年度に利益5000億円、時価総額6兆円を目指すという。
人口減少で国内市場の縮小が見込まれる中、買収によって海外保険ビジネスの規模や収益を拡大し、再保険取引による安定的な収益の寄与も見込む。
すでに日本の中での成長はないと考えているのだろう。10年間で2社も買収しており、政策持ち合い株の解消で得た利益でUSの会社を買収するようだ。
資金力があれば同様に海外に活路を求めているだろう。損保の大手といえば東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和あたりになるが、東京海上日動は国内の買収に動き、三井住友海上はUSの会社に出資のみ、あいおいニッセイ同和はイギリスの会社を買収している。
なお、三井住友海上とあいおいニッセイ同和は2027年に合併が予定されている。
各社の戦略が異なるのは、資金量だろうか。
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