ソフトバンクG(9984)は今や投資会社だ。投資先の傘下の各社の株価が上がると保有資産の上昇で株価が上がる仕組みになっている。
3年ぶりに株価が1万円を突破した。
孫氏が創業したソフトバンクは当初は出版業だった。それがボーダフォンから携帯会社をMBOで買取り、これをてこに急速に巨大化した。
巨額の資金を生み出す携帯会社を手にしたことで、その資金を投資マネーとして投資する。
ビジネスや技術を見極める目を孫氏は持っているのだろう。いち早く日本にiPhoneを追ってきたのはソフトバンクだった。以後数年間は独占してシェア向上に寄与しただろう。
Yahooもそうだし、PayPayもソフトバンク系だ。
そういう点は楽天やGMOの経営者とはまだレベルの違いがあるのだろうか。次々と巨大なビジネスを生む出し続けたのは孫氏くらいだと思う。
投資先の事業を見極める目も鋭いのか、その後成長するものがある。もちろん失敗もあるだろう。アリババ、We Work、ARM、他にもいくつもベンチャー企業に投資している。
アリババは成功したが、We Workは失敗だった。失敗が続いて、ソフトバンクGの業績が赤字となった。
おかげで虎の子のARM株を当初はNVidiaに譲渡しようとしたが当局の承認を得られず、ARM上場に至った。
なお、携帯電話事業を新・ソフトバンク(9434)として分離、上場し、旧ソフトバンクはソフトバンクグループと改称した。以後は投資専門の企業といっていいだろう。
現地6月13日にNASDAQは提供する指数のNASDAQ-100にARMを採用すると発表した。
指数に採用されると何がいいかというと、指数に連動する投信が自動的に買い付けるので、株価が上がるのだ。
ARMの株価は上場当初は50$だったが、先週末は3倍の150$になった。
これを反映して、親会社のソフトバンクG資産が増えるので、株価が上がった。
ARMの株価上昇とNASDAQ-100への採用を好感し、ソフトバンクGの株価は上昇し、ついに3年ぶりに1万円を突破した。
この3年間は投資先の株価下落による厳しい時期であった。
投資先の選別次第でソフトバンクGの価値は変わる。これからは孫氏の後継問題も出てくるだろう。
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