株や投信をやってます、という人の多くは買うことを考えていても売るときのことはあまり考えていない。
いつ、どういう条件になったら売却するか。若いほど売るタイミングは先と考えているだろう。
投信を年金として意識する高年あるいはリタイアしたシニア世代にはまってましたというべき機能がSBI証券でリリースされる。
一方でその機能をすでに提供している楽天証券はどうか。比較してみる。
投信の定期売却機能は、投信を年金として運用する人には必須の機能だ。年金は通常2か月に1回支給される。年金として積み立てた投信を、年金が支給されない月に売却したら、現役世代の頃に思い描いていた生活を送ることができるだろう。
この機能がないとリタイア後も定期的に資産の状況を見て売却する作業が発生する。年を取るにつれ難しくなる作業も増えてくるだろう。売却など忘れて自分のしたいことに熱中したい人もいると思う。
そういう希望から投信の定期売却機能が生まれたと思う。
SBI証券では長らく特定口座の定額売却を提供してきた。今回の発表ではNISA口座に対応し、定率売却にも対応するという。ただし開始は2025年中という。
定額売却は、投信の基準価額に関係なく定額分を売却する。毎月5万円売却する設定であれば、基準価額が変わらなければ残額は毎月5万円ずつ減っていくだろう。
しかし投信も毎日基準価額は変動する。上がれば売却時の口数は少なく、下がれば逆に多く売却することになり、思ったような時期に残高が0円になるとは限らない。この辺りのコントロールが難しいが、得られる売却金額は一定なので使いやすい。
一方で定率売却は残高に対して一定の割合を売却する。1%と設定すれば残高がいくらであっても1%だ。1,000万円なら10万円、100万円なら1万円だ。その時の基準価額によって売却して得られる金額は変動する。
一定金額を年金として得たい要望には応えられない方法になるが、なんとなく資産は長持ちしそうだ。
SBI証券は現在は定額売却のみなので定額売却の説明を下図でしている。なお、口数買付した投信は対応してないそうだ。2025年の改訂で変わるかどうか不明。
定率での定期売却を楽天証券はすでに開始している、。もちろん定額もだ。楽天証券はさらに期間指定というものがあり、指定した将来の日付に向けて口数を均等に売却する。定率の変形バージョンだ。
今の時点ではこの機能は楽天証券が圧勝だ。
では、投信の定期売却サービスについて比較してみよう。
SBI証券 | 楽天証券 | |
金額買付ファンド | 〇 | × |
積立買付 | 〇 | 〇 |
口数買付 | × | × |
対応口座 | 特定口座、NISA(2025年中) | |
申込金額 | 1,000円以上 | 1,000円以上 |
SBI証券 | 楽天証券 | |
金額買付ファンド | ×(2025年対応予定) | × |
積立買付 | ×(2025年対応予定) | 〇 |
口数買付 | × | × |
対応口座 | 特定口座、NISA(2025年中) | |
申込率 | 未定 | 0.1%~50%、0.1%単位 |
SBI証券 | 楽天証券 | |
金額買付ファンド | × | × |
積立買付 | × | 〇 |
口数買付 | × | × |
対応口座 | 特定口座、NISA(2025年中) | |
申込期間の指定 | × | 終了年月の指定 |
SBI証券 | 楽天証券 | |
対応口座 | 特定、NISA(2025年中) | 一般、特定、NISA、法人 |
その他 | 他社からの移管も対応 | 積み立て設定がある投信は指定不可 |
リタイアを意識しだしたらこういうサービスが欲しくなると思うが、株をやっている人が60歳で株もリタイアするとは思えない。
70歳過ぎたら必要なのかな。でも今の70歳は元気だ。そう考えると80歳以上に欲しい機能だろうか。
そんな先のことまで考えてられないな。
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