物流のAZ-COM丸和ホールディングス(9090)は同業のC&Fロジホールディングス(9099)の完全子会社化を目指した敵対的TOBを開始した件に関し新たな展開があった。C&F HDはホワイトナイトとしてSGホールディングス(9143)を頼み、佐川によるTOBを目指す。
前回の記事はこちら。
AZ-COM丸和のTOBが開始されると、通常はその買取価格にサヤ寄せされる株価がぐんぐん上昇していった。この価格では誰もTOBに応じないだろうなという状況だ。
こうなったのも、C&F HDはAZ-COM丸和のTOBをよしとしないからで、先日のローランドDGとブラザーのにらみ合いに通じるものがある。
敵対的TOBに至るには理由がある。買収する側の社風が合わないというような細かい話もあるだろうが、一番の理由は買収される側の不安を買収する側が払しょくしないから、つまり対話不足だ。
ローランドDGの際もそうだった。ローランドDGがブラザーに質問したことをブラザーは問題ないと相手にしない。回答しない。そんな状態で金で顔をひっぱたくようなことをしても信頼関係ができるはずがない。
経緯については下記リンクを参照。
今回もC&F HDからAZ-COM丸和に対して質問を投げかけているが、C&F HDが納得できる説明がされていないという。C&FHDの発表資料を見よう。
赤線の個所のように、食品卸や問屋の関与を減らそうと考えるAZ-COM丸和と、それでは顧客がいなくなるというC&F HDの懸念。C&F HDの懸念は何度か質問されたが納得いく回答になっていないようだ。
一方でSGHDはそういうことはいっていないようで、TOB価格が高いこともあり株主の利益を考えればSGHDを選ぶことが唯一の選択肢となったようだ。
SGHDは全株の取得を目指し、7月12日まで買い付ける。
5月31日の終値は4,865円とAZ-COM丸和のTOB価格から1.7倍くらいになっている。この後はSGHDのTOB価格である5,740円にサヤ寄せしていくのだろう。
AZ-COM丸和がちゃんと回答し、さらにTOB価格を釣り上げれば買収のチャンスはまだあるが、可能性はほぼない。SGHDの勝利で終わりそうだ。
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