物流のAZ-COM丸和ホールディングス(9090)は同業のC&Fロジホールディングス(9099)の完全子会社化を目指した敵対的TOBを開始した。6月17日まで買い付ける。
自分自身はあまり聞いたことがない企業だ。桃太郎便で知られる宅配事業を行う傍ら、最近はamazonの配送を請け負っている。
ああ、そういえば、丸和という名前はamazonの配送を佐川、ヤマトが撤退、あるいはほぼ撤退後に受けた独立系の会社がそういう名前だったと思い出した。
amazonの配送だけでは先行きが見えないからだろうか、もっと大きくなるために同業のC&FロジHDを買収すると発表している。
こちらも名前を聞いたことがない企業だ。合併でできた会社で、元はヒューテックノオリン、名糖運輸だった。どちらも低温輸送を得意としており、C&FロジHDもその事業のままだ。大株主には顧客であるマルハニチロ、協同乳業がいる。
AZ-COM丸和HDはamazonの宅配事業などを持つが、大きくするためには別の輸送事業を欲していたのだろう。
低温の輸送は現状のAZ-COM丸和HDにはないので、C&FロジHDを持つことでシナジーがある。色々な輸送をすべて引き受けられるのだ。
一方でC&FロジHDの方は、低温輸送だけでやっていくつもりなのだろう。配送センターを作るなど、ニッチな分野に特化した配送を一手に引き受けられる。低温輸送をしたい顧客が常温の輸送も次いでんいしたいということはそれほど多くはないだろう。大株主であるマルハニチロ、協同乳業という企業から考えても、これらの会社の事業のほとんどは低温の製品だ。AZ-COM丸和HDの一事業になってもらう必要性はないだろう。
5月2日の終値は3,275円だが、買い付け価額は3,000円だ。これではTOBは成立すると思えない。
もっとも3月下旬のTOB発表までは2,000円だった。その当時であれば買い付け価額3,000円は魅力的だった。
買い付け価額と現在の価額が逆転している間は、TOBが成立する可能性はないだろう。AZ-COM丸和HDがどうしても低温輸送事業を欲しているなら、買い付け価額を上げるだろう。
一方でそこまで資金がない、あるいは投資する価値がない、と判断したら撤退もありうる。
6月17日まで買い付けは続くが、今月早めに次の動きがありそうだ。
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