ローランドDG(6789)自身が行うMBOの期間が延長になった。合わせてMBOの価額も上乗せされている。
ブラザー工業(6448)と協議したものの、ローランドDGが懸念する点についてブラザーは回答できていないようだ。
前回の記事はこちら。
MBOのために買取を行うファンドであるタイヨウは、買取価額を5,370円に上乗せし、合わせて買取期間を5月15日まで延長した。
ブラザーが予定しているTOBの買取価額は5,200円なので今週中に何らかのブラザーの回答がなければMBO成立に一気に進みそうだ。
この一連の記事でもやもやしていたのは、なぜそんなにローランドDGはTOBを嫌がるのか。
MBOではなくTOBであっても経営の独立性を望めるのなら企業としてはどっちでもいいだろうし、また親会社の資金、人材などのリソースを活用できる。
しかしローランドDGはブラザーに対して、そのようないい親会社になると思っていないようだ。そのあたりはAZ-COM丸和のC&FロジへのTOBと同じなのかもしれない。
ローランドDGが連休前後に資料を出している。
重要な点は赤線を引いた。
ローランドDGはブラザーの子会社になった場合のシナジーよりはディスシナジーが多いと懸念している。
その懸念を払しょくするためにブラザーと協議をしているが今のところ有効な回答を得られていないようだ。
別の資料で「ディスシナジー」の具体的な内容が書かれている。
ブラザー傘下に入ることで、今までは競合のサプライヤーA社から優先的に取引ができたプリンターヘッドを得られなくなるそうだ。
ブラザーと競合であれば当然の結末だろう。
そうなった場合に、ローランドDGの製品価値、有利性は少なくなり、2026年12月期の営業利益は50億円下がる試算が出ている。
サプライヤーA社との関係をブラザーは楽観的に考えているようで、今まで通りプリンターヘッダを販売してくれるだろうと考えている。しかしローランドDGはA社に確認しているのでブラザーの回答の楽観さだけがめだつ。
詳細は下図。
するするといっていまだにTOBは開始されないまま、MBOは終わろうとしている。
こうなるとうがった見方が出てくる。
本当はブラザーはTOBする気はなく、MBOの価額を釣り上げて、結果的にローランドDGの借金を増やそうとしていたのではないだろうか。
それをやってブラザーに何の得があるか?わからない。
競合製品が多いわけでもなく、ローランドDGはその製品分野では世界シェアを取る存在であり、ブラザーはラインナップを広げたいと推測していた。
しかし本気でTOBする気がないとしたら、何か得になることが裏にあるのだろう。週末にでもブラザーの反応が出るのか待ちたい。
続報はこちら
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