
イラン情勢により石油輸入量が減り、建材やビニール製品が軒並み足りないそうだ。政府は備蓄を出しているというが、昨年の米の例もあるように信用ならない。おそらく本当に在庫がなくて作れないのだろう。そんな中でイラン情勢後を見据えた、産油国の動きがあった。UAEがOPECから脱退すると発表した。
石油輸出国機構、の英語の頭文字からOPECと呼ばれる産油国の会だ。石油価格を操作するために安くなれば減産を加盟国に指示し、高くなって軽罪に影響が出そうになったら増産を指示する。
OPECはもともとは石油資本が持っていた油田の開発、石油の輸出による利益を産油国に戻すための組織だが、資源を武器に西側諸国に圧力をかける組織にもなった。中東戦争の際にげにゅ価格を4倍に上げて石油ショックを引き起こした。
その後石油の生産量が非加盟国の方が多くなり、また日本で見られたように省エネルギーの運動により製品が石油を必要とする陵を減らすことで、余り気味になり原油価格は下がった。以後はOPECから加盟国の脱退もあり、最近は石油輸出のシェアではOPEC加盟国は40%程度という。
残る60%は非加盟国だ。例えばロシア、US、カナダ、ブラジル、ノルウェーなどが生産している。
UAE,アラブ首長国連邦は石油ショックのころに建国された国だが、日本はこの国から多くの資源を輸入している。
UAEでは石油が採掘されるものの、ドバイのように観光資源をそろえて石油枯渇後に備えた国づくりが進められている都市もある。
石油が収入の多くを占めるドバイにとって、イラン情勢は石油を売れない事態になっており危機的なのだろう。OPECから突然脱退を発表した。

UAE OPECから脱退 2604 出典:ブルームバーグ
過去10年間、OPECでは加盟国の離脱が相次いだ。2016年のインドネシア、2019年のカタール、2020年のエクアドル、2023年のアンゴラと続き、OPEC終焉論が何度も浮上した。どれも現実とはならなかったが、UAEとなれば話は別だ。
同国は大幅な増産を目指す意欲を持ち、それを支える豊富な資源に恵まれている。さらに重要なのは、その構想を現実に移すだけの資金力も備えている点だ。
UAEの発表はイラン戦争のさなかというタイミングで行われたため、軍事衝突と結び付けて受け止められる可能性もある。確かに、UAEはイランの攻撃やホルムズ海峡の閉鎖、さらにクウェートやオマーンといった近隣諸国の曖昧な対応に衝撃を受けている。しかし、OPEC離脱の動きはイランとはほとんど関係がない。離脱への道筋はサウジアラビアで始まり、米シェール原油の産地テキサス州を経由してきた。
イラン情勢が原因ではなく、数年前から不満がたまっていたようだ。
UAEは価格下落のリスクがあっても増産を望んでいたのに対し、ロシアと連携するサウジは、たとえ減産して供給余力を残すことになっても、原油価格を1バレル=100ドル前後に維持することを重視していた。
UAEは今の原油価格は高く、多少安くしても増産で補えればいいという考えのようだ。一方でサウジアラビアは1バレル=100ドルの維持が目標で、資源を減らさないようにしたいのだろう。
仮に今年後半にホルムズ海峡が再開されれば、市場はUAEの増産分を必要とすることになる。世界経済は備蓄の原油を取り崩しており、国家備蓄と民間在庫の双方が消費されている。紛争終結後には、OPECの制約から解放されたUAEは必要に応じて生産を拡大できるようになる。そうして在庫の積み増しに必要な原油を供給し、結果として価格の上昇を抑えることになる。
UAEの狙いはこれだろう。イラン情勢が落ち着いた後の需要増に対して増産で対応できる能力を持つ。原油高により経済に影響が出てくるとまわりまわってドバイの観光などに影響が出てくるので、原油は安価に供給したい。資源の輸出と観光収入の両方を維持したいのだろう。
UAEの増産で世界経済の失速をとどめることができたらありがたい。
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