東京都の話題が2つあるので紹介する。
水道料金の基本料金が夏場は無料になることと、都立高校で専用のAIを導入するそうだ。
決算発表が落ち着いたので後回しにしていたことを書く。
東京都は夏の4か月間に限定して、水道基本料金を無償にする方針を決めたそうだ。読売新聞の記事を引用する。
東京都 水道料金 夏だけ基本料金無償化 2505 出典:読売新聞
東京都は、都内全ての一般家庭約800万世帯を対象に、今年夏の水道基本料金を無償化する方針を固めた。物価高に苦しむ家計を助けることで、自宅でのエアコン使用を促し、熱中症予防につなげる狙いがある。
都関係者によると、無償化の期間は夏場の4か月間程度を想定している。関連経費約400億円を盛り込んだ補正予算案を6月開会予定の都議会定例会に提案する。
400億円もの予算を振り分けられるような経済基盤がある東京都だからこそ可能な政策だ。他の道府県ではなかなか難しいことはこれまでの給食無償化、高校授業料無償化を見ても明らかだ。他にはキャッシュレス決済でポイント還元なんてのもあり、都民でない人にも還元されている。
無償化の背景には、光熱水費を節約するためにエアコン使用を控えた結果、熱中症で死亡する事例が相次いでいることがある。東京消防庁や都によると、昨年6~9月の熱中症による都内の救急搬送者数は7993人(速報値)と過去最多を記録。死者は340人で、うち半数以上は室内にエアコンがあるのに使っていなかった。米価高騰など物価高に拍車がかかる中、都は家計負担の軽減が必要だと判断した。
今回の水道料金の一部無償化の原動力は、猛暑下でのエアコン不使用による熱中症を避けたいためだという。
熱中症患者が出てくれば、救急車が頻繁に出動する。昨年も救急車がなかなか来ないと行く問題があった。現場の隊員の負荷も気になる。
一方で米の価格の高止まりにより、1,500円弱の基本料金が無償になってもエアコンの電気料金に回らず、米の値上がり分も賄えないのではないだろうか。
特に年金世代に厳しい状況である、インフレの時代では、20世紀末のロシアのように物乞いをする老人の出現が懸念される。
一刻も早く無駄な税金による高止まりの料金、無駄な行政の整理・廃止を行わないと数年内に20世紀末のロシアと同じ状況になりかねない。
一方で都立高校や都立中学など都立学校に都立AIという専用のAIを導入することを決めた。
東京都 都立高校 AI導入 2505 出典:IT media
東京都は5月12日、全都立学校に生成AIサービス「都立AI」を導入すると発表した。対象の学校数は256校で、約14万人の児童・生徒がAIを利用できる。授業や探求学習にAIを取り入れるほか、教職員の事務文書の作成にも活用するという。
都立AIとは何だろうか。
都立AIは、コニカミノルタジャパン(東京都港区)が開発した都立学校専用のAIサービス。AIモデルは米OpenAIのAIモデル「GPT-4o-mini」以上のモデルに対応し、今後も順次アップデートする予定だ。チャット機能は、テキストと画像による入力に対応。作文や資料作りを支援する「プロンプトテンプレート機能」なども搭載する。
加えて、不適切なやりとりをフィルタリングする機能を搭載。入力データはAIの学習には使わないため「安心・安全な生成AI利活用」ができるとしている。
東京都では2023年度から生成AI研究校を指定して検証してきた。その成果がいよいよ展開される。
外国では生成AIを使うことは学校も企業も当たり前だ。といって学生がこれを悪用してレポートを自動生成するのでは生成AIの活用とは言えない。
東京都も企業も求めている人材は生成AIの出力を補助として、人間はクリエイティブな活動ができるようになることだ。
ただ生成された文章をレポートとして提出する人材はいらない。生成AIの問題である嘘を検証でき、さらに自分の意見を織り交ぜて、レポートをブラッシュアップできる人材。
そういう学生が5年後10年後に東京都にある企業はじめ日本の企業を背負っていくのだろう。国による全国展開も必要だ。
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