ローランドミシンのブラザー工業(6448)が印刷機メーカーのローランドDG(6789)に対して敵対的な買収を開始した。
ローランドDGは自身でMBOを行っているので、ブラザー工業はローランドDGに相談なく始めたことになる。
ブラザー工業はミシンで有名だったが、今や過程で必要とされることも少なく、国内の縫製業の衰退もあってずいぶん前から別の業種への転換を図っていた。
今の主力はプリンタや印刷機だ。国内企業で家庭用プリンタを扱うメーカーとして思いつくのはエプソン、キャノンに続いて、ブラザーが出てくるだろう。
ただし、プリンタ自体もペーパーレスのあおりで生産高はじり貧だ。ほかに新規事業を育てるにも時間がかかる。
まずは工業用プリンタのシェアを取るつもりで、同業のローランドDGの買収に走ったようだ。
ブラザー工業とは異なり、ローランドDGは広告、看板用のインクジェットプリンタで世界シェアを取る企業だ。
もとはPCの周辺機器、特に音楽関係の製品を手掛けるローランド
スマホケースを作るプリンタや3Dプリンタも手掛けている。
IR情報を見る限りは、順調に成長しているように見える。
2月にローランドDGがMBOを発表した。5,035円で買い取るとして3月27日までに終えるとしていた。
ところがここにブラザーが突如TOBを開始。5,200円で買い取ると宣言して、買収を開始した。
株主がどちらの提案を取るかは明白だろう。価格が高いブラザーが勝つのは、先日のベネワン買収の結果でもわかる。
以前は友好的な買収しかなく、敵対的買収があると大きなニュースのなっていた。
しかし今年は事情が異なる。日経の記事にもあるので引用する。
ブラザー、ローランドDGともに東証プライムに上場している。ニデックがTAKISAWAに、第一生命ホールディングスがベネフィット・ワンになど対象会社から賛同を得ないまま買収に乗り出す事例が相次いでいる。日本企業のM&A(合併・買収)が変わりつつある。
この数か月で3件もある。ブラザーもローランドDGとの資本提携を打診していたが話がまとまらなかった。
立場の異なる2社が買収の話をしても、もろ手を挙げて賛成になることは少ないだろう。これから先、この手の敵対的買収は増えるばかりだろう。
特に昨今の好調な決算で利益が積みあがった企業が多いので、同業の買収、事業ポートフォリオを補完するための買収が増えるように思える。
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