現行の新NISAが開始する前にもNISA制度はあったが、いまと比べると非課税期限が5年と短く、非課税枠も少なかった。
そんな古参の旧NISA勢が年に1回悩む時期がやってきた。売却か特定口座に移して保有か。考えてみよう。
楽天証券だけでなくSBI証券も同様のDMが届き、注意喚起がされている。
旧NISA 2021年購入分 非課税期間終了 出典：楽天証券
楽天証券の記事を引用する。
旧NISAを利用していた場合、非課税で投資できる期間は以下の通りです。
・一般NISA：投資した年から数えて5年目の年末まで
・つみたてNISA：投資した年から数えて20年目の年末まで
よく「5年」といいますが、これは購入したタイミングからそれぞれ5年という意味ではありません。NISA口座は年単位で考えるため、「5年目の年末」が正確な期限となります
つみたてNISAという、現行制度の積み立て投資枠に相当する制度もあったが、自分は使っていないのでここでは省略する。つみたてNISAの非課税期限は20年なので、まだ考えなくてもいい。
ここでは一般NISAの話に限るが、一般NISAの非課税期限は5年間なので、5年が経つと売却か翌年の非課税枠にロールオーバーか、特定口座に払い出して非課税終了の3つの選択肢があった。このうちロールオーバーは旧NISA制度が終了したのでもう使えない。現状で一般NISAに入れている銘柄の扱いは
の二択になっている。
ではそれぞれの影響はどういうものがあるかを考えておこう。
非課税枠に入っている状態（つまり年内）に通常の手順で売却するなら、売却益に対する課税はない。旧NISAの制度に則って扱われる。
ちなみに自分はソフトバンクGのあまりの急ピッチな値上がりを受けて、旧NISAの保有だけでなく新NISAで買ったものもすべて売却した。
最高値で売ったわけではないが、最近は最高値から1万円も下げており、この先どこまで下げていくか。売り時と判断して売っていけたので戦略としては満足だ。
もちろん新旧NISA枠内の銘柄なので課税はなし。
この場合は注意が必要だ。
期限前に売却しなかった銘柄は無条件で特定口座に払い出される。その時の時価が取得価格になる。
NISAで1000円で買った株であっても払い出し時に2,000円になっていれば取得価格は2,000円だ。もちろんこの時点では課税はない。
この後、この銘柄の株価が乱高下して3,000円になったらこの時売却すると3,000円から取得価格の2,000円を引いた1,000円に対して課税がされる。おおよそ2割もっていかれる。
一方で3,000円になった時に売り時を逃し、その後株価が大幅に下落して500円になったとする。この時に売ると500円から取得価格の2,000円を引いた-1,500円が損失として計上される。確定申告の際に損益通算することができる。
このケースでは値上がりしたときに売ったとしても、NISAに入れていた期間の値上がり益は非課税になるのでまあ、気にするほどでもないかな。
NISAで1000円で買った株であっても払い出し時に500円になっていれば取得価格は500円だ。もちろんこの時点では課税はない。
この後、この銘柄の株価が乱高下して3,000円になったらこの時売却すると3,000円から取得価格の500円を引いた2,500円に対して課税がされる。
一方で3,000円になった時に売り時を逃し、その後株価が大幅に下落して1,000円になったとする。この時に売ると1,000円から取得価格の500円を引いた500円に対して課税される。
ちょっと待って。買った時は1,000円なので1,000円で売れば利益は0だ。でも500円の売却益が計算されて課税される。
つまりNISAで取得したときの価格よりも特定口座に払い出す際の時価が安い場合は、注意が必要だ。
なお、3,000円のときに売ったとしても2,500円に対する課税となるので、500円分の課税が損になる。高くなっても安くなってもいいことはない。
旧NISAの銘柄売却で今年は資金が割と潤沢だった。このため新NISAの枠が足りなくなり、資金はあっても買えないという状況があったが、考えを改めて特定口座でも買っていこうと思っている。どのみち新NISAの非課税枠で投資ができるのは1,800万円まで。それを超えることになれば特定口座を使うしかない。
したがい、２－１のケースならあえて新NISAに載せ替えるために、旧NISAで売却→新NISAで買い付けをせずにそのまま特定口座に払い出しでもいいやと思っている。
ただしその条件は、配当利回りが低い銘柄だけにしておこう。高配当銘柄で課税されるのは寂しい。
税制上の年内の取引は12月26日までで、以降は2026年扱いになる。証券取引上の営業は30日まで。
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