東証が市場改革をして誕生したプライム/スタンダード/グロースの3市場。旧一部にいた企業のうちプライム市場の上場条件を満たさない一部の企業に対して、基準を満たすまで上場を許す猶予期間があるがいよいよ期限を迎える。
このため、東証に従ってプライムからスタンダードに移動する企業が出始めた。
東証は3市場に対して上場基準を決めている。下のボタンの先のページに明確に定義されている。
例えば、プライム市場なら、以下の条件だ。(ほかにもあるが)
このうち時価総額、流動比率を満たさない一部企業が移行措置によりプライム市場に残っている。
その猶予期間が6月でいよいよ切れる。基準を満たさない企業は上場廃止かスタンダードなどへの移動をしなければならない。
建築廃材や廃車を収集し、分別加工して販売する企業だ。失礼ながら初めて知った。
株価は400円弱で昨今の円安で鉄くずの輸出が難しく、時価総額が低迷し、プライム市場維持の条件を満たさないことが確定した。
エンビプロ スタンダード市場へ移動 2502 出典:エンビプロ 以下同じ
2024年末に維持基準を満たさず、期限の2025年6月末までは努力するそうだが、スタンダード市場へ移動する準備を始めるそうだ。
エンビプロ スタンダード市場へ移動 2502
一方でスタンダード市場の上場維持基準はもちろん満たしている。
以前の東証一部は企業のあこがれの市場で、一部上場がステータスだった。従い創業者はみな、一部を目指していた。
一部上場の基準を満たすため、株主数を増やす必要があって株主優待を開始し、上場後に廃止するという企業がいくつもあった。残念なことだ。
東証は一部市場をプライム市場に変える際に、外国人が安心して銘柄を選べる日本を代表する市場にしようとしていた。
実際に旧一部市場の銘柄が多く属しているが、もともと一部市場には「代表する企業」といえないような企業も存在した。先ほど書いた、ステータスを得るために株主を増やしたような企業が多くあてはまるだろう。
すでにスタンダード市場に移動した多くの企業がある中で、今もまだ猶予期間に甘んじている「プライム市場にいる資格がない企業」がある。
エンビプロのように移動の準備を始めて、スタンダード市場で力を蓄えて、プライム市場に再挑戦してほしい。
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