最近のニュースといえば、ちょっと前が103万円の壁、今年になってフジテレビの話題ばかりだが、合間に新入社員の初任給が上がる話もよく聞く。
最高額は41万円かな。この数年のことなのに大きく時代が変わった気がする。
そんな中で、ソニーG(6758)が新入社員以外の処遇を変えるようだ。
ソニーグループは国内の主要グループ会社の賃金制度を改定し、冬のボーナスを廃止して月給と夏のボーナスに振り分ける。年収に占めるボーナスの割合を引き下げて、短期の企業業績に左右されにくい賃金制度を整える。優秀な人材が長期視点で働けるようにする。
この文章を読むと改良に見えるのだが本当だろうか。
新入社員のみどんどん初任給を上げている。上げないと優秀な人材が来てくれないからだ。
そうでなくても人手が足りない。バブル期入社組が定年で会社を去り、いびつな人口ピラミッドが是正されると思ったら少子化。そのために新入社員が極端に少ない。
上もミドルも下も人数が少ない。このままでは事業拡張は難しいだろうから会社は縮小再生産に陥っていく。
この状況を回避するには優秀な人材を多く集めるしかないのだが、そのために初任給を上げている。
初任給が上がると次に何が来るのか。
数年分の昇給を先渡ししているような状況の初任給だから、今後数年は給料がほぼ上がらない可能性がある。
もちろんインフレによる物価高に追従する昇給はあるだろうけど、年功序列ではなく成果主義で評価するのだろう。
なんやかんや理由をつけて上がらない状況が来るのではないだろうか。
初任給の上げ方と同じ上げ方で昇給していると、すでに入社している先輩、ミドル世代の給料を追い抜いてしまうだろう。
そうなれば、ミドル世代の退職加速がやってくる。人を増やしたいのにミドル世代が細くなれば、将来の会社ではなく今の会社がつぶれてしまう。
冬のボーナスが亡くなった分を夏のボーナスと毎月の給料を増やすということだが、いびつに感じるのは夏のボーナスを残すこと。
ボーナスは業績により変動するので、業績が悪化すればボーナスはない。コロナ禍の航空会社がどうだったか思い出すといいだろう。
会社は簡単に給料を変えられない。まして下げる変更は難しい。となると、ボーナスのように容易に上下できないので、安定して支払える分のみ上乗せし、変動分は夏のボーナスで支払うことになるのだろう。
冬のボーナスの有無にかかわらず総額が変わらないのなら、文句を言う人は少ないだろう。しかし制度変更により、内部留保を多くするようなからくりを作るのではないだろうか。
住宅ローンのようにボーナス払いがあれば夏冬そろって増額する。夏だけ増額ってできるのだっけ?できなければボーナスを貯蓄して、毎月の住宅ローンの支払いに充てていくしかないだろう。
制度の問題なので対応してくれる金融機関があれば問題なし。
2025年を通してソニーGの社員が結局どうだったか?と感想が聞こえてくるまでどうなるかわからない。
好評ならほかの会社もマネをして、ボーナスなしの企業も出てくるだろう。
ただ働く人の感情としては、夏も冬もボーナスがあった方がうれしいかな。
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