昔は製造業、今はITサービスにシフトした3社、NEC(6701)、富士通(6702)、日立(6501)の2024年度決算が出た。そろって増益だ。
3社は2000年前後のITバブル崩壊などで、大幅な減益を出した。その後の構造改革でハードウェア事業を捨てて、サービスに特化して業績が上昇している。
3社に共通で言えるのは、ITサービスに特化した結果といえそうだ。
この先、ITサービス特化が裏目に出なければいいが。
NECはかつては国産PCで席巻したが赤字が続き、PCなどハードウェア事業はほとんど売却した。今では代表的な事業は顔認証などのセキュリティが知られている。
2025年3月期通期の決算を発表した。
資料はこちら。
NEC 2025年3月期通期決算 以下同じ
NEC 2025年3月期通期決算
減収増益だ。配当は20円増配。(5分割前)
セグメント別では2本柱のITサービス、社会インフラがともに増収増益。下げている原因はその他の事業だ。
NEC 2025年3月期通期決算
従来目標から引き上げている。
NEC 2025年3月期通期決算
売上収益 33,600億円 前年同期比-1.9%
営業利益 3,100億円 前年同期比+0.8%
Non-GAAP営業利益 3,200億円 前年同期比+0.4%
NEC 2025年3月期通期決算
富士通は最近銀行向けATMの開発をやめるという発表をしている。大型コンピュータの撤退も発表しており、ハードウェア事業からの撤退を加速している。
2025年3月期通期の決算を発表した。
資料はこちら。
富士通 2025年3月期通期決算 以下同じ
増収増益だ。1月の通期予想からは減収増益になっている。2円増配。
富士通 2025年3月期通期決算
セグメント別では、半分以上を占めるサービスソリューションが増収増益。ほかのハードウェアは増収減益、ユビキタスは減収増益だ。ハードウェアはサービスソリューションの半分の売り上げ規模なので、利益をかなり引き下げたようだ。
富士通 2025年3月期通期決算
サービスソリューションは売上収益を+3.7%、調整後営業利益を+24%と高い目標で進める。
富士通 2025年3月期通期決算
日立はかつては家電もあり、IBMから買ったHDD事業もあり、鉄道もありとなんでもある総合電機だったが、家電は別会社、HDDはすでに売却、鉄道など社会インフラは残している。ハードウェアは特定の社会インフラのみなので主力はIT、ソフトウェアという印象だ。
2025年3月期通期の決算を発表した。
資料はこちら。
日立 2025年3月期通期決算 以下同じ
日立 2025年3月期通期決算
2025年度は売り上げ10兆円を目指し、利益は7,100億円だ。
日立 2025年3月期通期決算
3社に共通に言えるのはトランプ関税による経済の冷え込み。それによるITサービスの需要減となって減収減益だ。
日立についてはインフラに関する危機に対する関税が利益を押し下げる要因になる。トランプが政策を撤回すれば戻るかというと、いったん始まった冷え込みは簡単には回復しないだろう。今後数年は引きずる予感だ。
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