【2024年度決算】KADOKAWAは増収減益、バンダイナムコは増収増益

 

KADOKAWA(9468)とバンダイナムコ(7832)が決算を発表した。KADOKAWAは昨年のサイバー攻撃、下請け法違反で増収も減益、バンダイナムは増収増益。

  

KADOKAWA

KADOKAWAは昨年はニコニコ動画に対するサイバー攻撃に発した、全システムダウンを経験して、仕事にならない時期があった。
さらに下請け法違反が発覚してその対応にも追われた。

2025年3月期通期の決算を発表した。
資料はこちら。

通期の連結決算は、
売上高　 2,779億円　前年同期比+7.7%
営業利益　 167億円　前年同期比-9.8%
純利益　　 74億円　前年同期比-35.1%

増収減益だ。利益の減少は上述の問題対策費用だろう。
セグメント別の収益は下図。

ゲーム事業と教育事業が増収のけん引役だ。
ゲームはELDEn RINGが好調で大幅に増収。

教育事業はN/S高などの生徒数が増えている。KADOKAWAの事業は幅広い。

サイバー攻撃の影響

出版、IP,WEBサービスに影響があり、通期では83億円も売り上げを押し下げた。特別損失は24億円を計上している。

2025年度通期予想

売上高　 2,919億円　前年同期比+5.0%
営業利益　 167億円　前年同期比+0.3%
純利益　　 114億円　前年同期比+54.2%
現時点では増収増益を見こむ。特に利益は大きく上げている。

セグメント別では、サイバー攻撃の影響があった出版、WEBサービスの増益が見込まれている。一方で2024年度はよかったゲームは減収減益の見込み。

中計

2028円3月期には売上は約1.5倍の3,400億円、営業利益は約倍の340億円をめざしている。
具体的にどの事業に注力する、は見えないが、各事業部の成長に任せているように見える。

KADOKAWAの株価は決算にはあまり反応せず。9日終値は3,503円。大きな成長はなさそうだが、徐々に成長していく予感がある。

バンダイナムコ

昨年度は2024年年始と20205年年始のガンダムの新作映画や高額なおもちゃが売れたようだ。
2025年3月期通期の決算を発表した。
資料はこちら。

売上高　 12,300億円　前年同期比+18.0%
営業利益　 1,800億円　前年同期比+98.9%
純利益　　 1,280億円　前年同期比+27.5%

大きく増収増益だ。

事業別では、デジタル、トイホビーが大きい。デジタルはゲーム、トイホビーはガンプラやトレカだ。

株主還元

自己株式取得や配当について発表している。

700万株、35億円を上限とした自己株の取得と、業績連動による大幅な配当増加が発表された。配当は年間で71円だ。

2025年度通期予想

今年度は、
売上高　 12,000億円　前年同期比-3.3%
営業利益　 1,450億円　前年同期比-19.5%
純利益　　 1,000億円　前年同期比-22.7%

2024年度が好調すぎたので保守的な予想にしているのだろう。今期は万博会場に出店しているので結構いい線に行くと思うが。ただしトランプ関税のために輸出が落ちるかもしれない。

事業別では、デジタルの大幅減が足を引っ張っているようだ。2025年度はヒットするゲームがないという予想と思うが、任天堂のスイッチ２に連動したゲームの売れ行きも期待できそうだ。

保守的な2025年予想を嫌気して、決算発表後に300円落ちている。9日の終値は4,800円。