7&i HD(3382)が2024年2月期の2Q決算を発表した。事前にリークされていた噂の検証をしていこう。
まずは業績報告から見ていこう。
参照したデータはこちら。
2024年度2Q決算は、下図の通りだ。
連結業績は、1Qよりも売り上げ、経常利益ともに上がっている。順調のようだが、経常利益が前期比でマイナスってどういうことだ?
このためなのか、通期の見込みでは、売り上げは上がるものの、営業利益、経常利益ともに15%も下げている。
営業利益の前期との比較では、その他以外は前期よりも下げている。海外コンビニは46,125億円も営業収益があるのに、営業利益は733億円と非常に低い。
制度上の問題があるのだろうか。
このため、2024年度の連結の予想を変えている。売り上げは上げるものの、経常利益が3,560億円と、計画から1,510億円もさげている。当期純利益は1,630億円と前期比27%減だ。今日の株価は下げるだろうな。
セグメント別では、営業利益の激減の原因は海外コンビニの不調のようだ。海外コンビニの944億円の減収の2/3はUSのコンビニ事業の不調から来ているようだ。
つまり2Q決算は減益になったということだ。
カナダのコンビニ大手から買収提案を受けている関係で、株価を上げる防衛策を早急に考える必要がある。このためだろう、最近噂で流れていた件について発表になった。
スーパー部門のイトーヨーカドーとヨークベニマルを分社することはすでに発表されている。
最近になって、分社したスーパー部門を上場するのではなく、ファンドに売却する噂が流れた。
今回の決算発表の場では、ヨーク・ホールディングスが中間持ち株会社として作られ、この下にイトーヨーカドー、ヨークベニマルといったスーパー部門だけでなく、ロフト、赤ちゃん本舗など不採算な会社をこの下に移動すると発表した。スーパーだけと思っていたが、一気に7&iはコンビニ専業会社になるという。
企業価値の向上のため、コンビニ事業はIFRSに移行し、成長分野への投資、株主還元を推進するという。ほかのコンビニ会社がやっていることだ。
一方でヨークHDは持ち分法適用会社にする。株を売って独立させるということだろう。同時にいつでも丸ごと売れるようにするということか。
その一方で今回の発表では盛り込まれなかったが、セブン銀行との資本関係の見直しを図るという。
下の記事で触れているが、持ち株を売却して、セブン銀行事業から将来的には抜けて、コンビニ専業会社にまい進するということか。
20世紀末~2000年代は7&i HDは目覚ましい飛躍を遂げていた。コンビニが百貨店を買い、銀行を作っていた。常に時代の最先端のサービスを提供してきた。
しかし最近は飽きられてきたのだろうか。売り上げがほかのコンビニと比べても下がっているという。高いというイメージから安く売る商品を導入した。
さらに三井住友カードとポイントで提携する。
あの手この手で収益増を目指しているが、その足を引っ張ってきたものがコンビニ以外の事業だった。
今回これらをばっさり切り捨てる。海外株主が言ってきたことをとうとう実現する。結果が同じだとしたら、もっと早く実施すればよかったのではないか。
経営者の判断が正しかったのか、検証が必要だ。
遅くなったが、コンビニ事業専任の会社が発足する。勝負はこれからだ。カナダ大手の買収をはねのけてやっていけるのか注視したい。
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