昨年来TOBやMBOが活発で、その都度株価が上がってうれしい人が多いと思う。
TOBの趣旨は異なるが今回は2件、セイノーとカオナビのTOBについて記録していおく。
recommend_stock]
セイノーといわれてもピンとこない人には西濃と書けばわかりやすいか。西の美濃、つまり岐阜が地盤の運送会社だ。
カンガルー便を運営しており、最近はあまり見なくなったが、テレビCMを一時は流していた。
そんなセイノーHDが自社株をTOBで買い付ける。買い付けても上場廃止になるような数ではないので、株主還元のためだろう。
セイノーHD TOB 2502 出典:日経
トヨタ自動車や三菱UFJ銀行などは保有するセイノーHD株のすべてについて応募する意向だ。買い付け価格は1株2091円で、1月31日までの1カ月間のセイノーHD株の終値の平均(2323円)から10%を割り引いた額になる。
TOBといえば通常は割高に買い取ってもらえるので、投資家はもうかるのだが、今回は割安な価格で買い付けるという。
買い付ける株式総数は2000万株で、発行済み株式総数の10.66%にあたる。買い付け代金の418億円は三菱UFJ銀から最大500億円を借り入れ充当する。
借金してまでTOBをするとは。どういう理由なのか調べておきたい。
セイノーHDの株価は発表後に若干上がったが発表前よりも株価を下げている。それでもTOB価格よりは高い。
カオナビはIT企業で、人材マネジメントシステムを提供している。リクルートの持分法会社になっており、リクルートが21%の株を持っている。
カオナビ TOB 2502
カオナビに対してはUSファンドのカーライルが買収をすると発表し、TOBを開始している。1株当たり4,380円だそうだ。
買収額は約500億円。TOB(株式公開買い付け)のほか、約21%の株式を保有するリクルートホールディングス(HD)からも買い取り、完全子会社化する。カオナビは株式を非公開化し、中長期的な視野での成長を目指す。
TOB価格は普通株式1株あたり4380円。カオナビ株の13日の終値は1980円で、2.2倍の価格に相当する。買い付け期間は2月14日〜3月31日。カオナビは13日、カーライルのTOBに賛同すると発表し、株主に応募を推奨する考えを明らかにした。
カーライルといえば、最近たまに聞くファンドだ。
昨年は日本KFC、2022年はユーザベースを買収している。
KKRやベインキャピタルほどよく出てこないが、企業買収案件では年に1,2回は見る名前だ。
カオナビはクラウドによる人材管理サービス「カオナビ」を展開しているが、類似サービスの増加で競争が激しくなっている。カーライルの傘下入りや株式の非公開化を通じて、短期的な業績に左右されない成長投資などを実施したい考えだ。
最近はこういった理由でTOBやMBOをする場合が増えている。
上場によりオーナーは一時の資金を得るが、株主が増えて、物言う株主が入ってきて、配当を増やせ、事業を切り離せとうるさい。
オーナーがいつも正しいとは思わないが、何らかの考えに基づいて起業した人が、その会社の行く末が考えていたものと違うなと感じてきたら見直すタイミングが必要だろう。
7&iのように言われるがままイトーヨーカドーを売って、残るコンビニだけの会社で何ができるの?と疑問を感じるようでは危ういように思っている。
不思議なことに発表に対してカオナビの株価はほぼ反応していない。どうやら売買が成立していないようだ。
アフィリエイト広告 ここから購入いただきますと当ブログに報酬が支払われ、運営資金になります。
アフィリエイト広告 ここから購入いただきますと当ブログに報酬が支払われ、運営資金になります。
アフィリエイト広告 ここから購入いただきますと当ブログに報酬が支払われ、運営資金になります。
アフィリエイト広告 ここから購入いただきますと当ブログに報酬が支払われ、運営資金になります。
PR