多くの人が利用するふるさと納税。ここ数年、徐々に締め付けが厳しくなっており、昨年は寄付額に対する経費の割合が厳格化された。
今度はポイントサイトでの募集が禁止されるという。その結果どういうことになるか、政治家や官僚は想像できているのだろうか。
総務省はふるさと納税の寄付をポイントを付与するサイトを介して自治体が募集することを禁止すると発表した。実施は2025年10月から。
仲介サイトがポイントで集客を競う中、自治体が仲介サイトに払う経費が膨らむ問題が起きていた。
ふるさと納税は、返礼品の調達や送料、仲介サイトに支払う手数料などが自治体の経費となる。総務省は過度な返礼品競争を抑えるため、経費は寄付額全体の5割以下としている。近年は一部自治体で、サイトへの手数料が経費を圧迫している。
制度の見直しを通じ、寄付が利用者向けポイントの原資になることを防ぎ、自治体の手元により多くのお金が行き渡るようにする。
自分は縁のない自治体を選んで寄付しているがその理由は返礼品であり、返礼品がない自治体には寄付したことがない。
ふるさと納税とは、返礼品をもらえて、なおかつ税金と寄付額を相殺できる、国民への福祉事業と理解している。
税金との相殺により実質の出費はなくなり、気軽に縁のない自治体に寄付することができる。もらった側の自治体がどう思っているのかはわからないが、魅力的な返礼品をそろえて、寄付額を多くしようとするのは、民間企業の施行でいえば当然のことだ。そこにチャンスがあるのに使わない手はないだろう。
自分は追加出費なしで返礼品をいただける。自治体は経費を払う必要はあるが、何もしなければ得られない収入を得ることができる。Win-Winの関係だ。
ここに出てこない、居住地の自治体が納税額が減る点については考慮しない。全自治体は同じ立場だ。努力して取り返せばよい。
早速ふるさと納税サイトでは反発が広がっている。
自分はふるさと納税を楽天で行っている。楽天では、ふるさと納税をすると、それに応じたポイントが付与される。これはほかの商品を買う場合も同様だ。
さらにお買い物マラソンなどセール期間になるとふるさと納税も1店とカウントされるので、ポイントが数倍になる。そういう時に固めて寄付をしている。
楽天CEOの三木谷氏が早速反論している。
ふるさと納税にポイント付与を禁止! プラットホームが負担しているポイントも禁止とか、意味が不明だ。小さな自治体が自助努力で財源を確保しようとして、一般の方が楽しみにしている、創意工夫、地方に恩返しという思いをぶっ潰そうとしている。断固反対する。傲慢すぎる。https://t.co/JPipwZCDTx
— 三木谷浩史 Hiroshi (Mickey) Mikitani (@hmikitani) June 27, 2024
ポイントサイトでの募集禁止の趣旨はポイント分を経費で負担するので寄付を受けた自治体の取り分が減るということのようだが、三木谷氏が言うように楽天が提供するセール期間中のポイント〇倍までも禁止になってしまう。全く扱いがなくなれば楽天市場の売り上げにも影響があるだろう。
このため、楽天は反対の署名を集めるサイトを立ち上げた。
ほかに自分がチェックするふるさと納税サイトを見てみよう。これらは独自ポイントやamazon ギフトで還元すると明示している。
ふるなびは、淡々と事実を伝えている。ポイントはこのまま使えるので安心して、ということだ。
近年ふるさと納税は締め付けが厳しく、お得感が徐々に減ってきている。
いただける返礼品が1万円で例えば8,000円相当のものであったものが5,000円になり、ついでにいただけたポイントが0になるという。
もはや開始時点の半分くらいの価値にしかならないように思える。
実質無料であることが続く限り、ふるさと納税は続くし、ユーザも使うだろう。
しかしポイントを付与するサイト、例えば楽天や上にあげたサイトが一律禁止となれば、サイト側はふるさと納税を撤退するか付与をやめるしかないだろう。
楽天に至っては楽天市場での扱いができなくなるから別のECサイトを作るしかない。だから反対署名を集めているのだろう。
また、これらポイントサイトがあったから、ふるさと納税はこれほど盛り上がっていることを忘れてはいけない。
TVCMを流したのもWEBで広告を打っているのも、これらのサイトだ。これらのサイトが一斉になくなったとしたら、誰が公告するのだろう。
誰がECサイトを提供できるのだろう。
ふるさと納税は終了してしまうのではないだろうか。その時困るのはユーザではなく、寄付を受けていた地方の自治体ではないだろうか。
楽天CEOの三木谷氏の怒りを今回は共感する。ぜひとも総務省は撤回してほしい。
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