
以前も書いているがビックカメラ(3048)とコジマ(7513)の親子上場に対して、投資対象としてははどっちがお得なんだろうと思って再確認した。
ビックカメラのまとめはこちら。
前回このテーマで書いた記事はこちら。今回はいろいろと考え直した結果を書く。
2025年8月期の決算報告で2026年度の配当などの情報が出ている。これによれば、両社の配当は以下の通りで、約2倍の開きがある。
| ビックカメラ | コジマ | |
| 年間配当 | 41円 | 22円 |
| 配当性向 | 40.1% | 34.7% |
配当は保有する株数に比例し、期間に左右されない。一方で株主優待は保有する株数に非線形に比例し、期間にも非線形に比例する場合がある。
具体的には長期保有の優遇により特典が増えるというもので、ビックカメラもコジマも対応している。
ビックカメラもコジマも株主優待の内容は1,000円の優待券で店舗、ネット通販で使うことができる。
保有期間も加味した優待利回りをグラフで示すと下図になる。


優待利回り ビックカメラ コジマ
ビジーなグラフなので、2年以上長期保有の場合だけを抜き出す。


優待利回り ビックカメラ コジマ
見ての通り、全株数でコジマの方が上回っている。
ここで配当も加味して、個人株主が得られる利益で比較する。


配当*優待利回り ビックカメラ コジマ
こちらもビジーなので、2年以上の長期保有の場合で比較する。さっきの株主優待だけの場合と逆転して、全期間でビックカメラの方がコジマを上回る。


配当*優待利回り ビックカメラ コジマ
利回りという%の数字だけだと何となく実感がわきにくい。ここでは、同じ金額を投資したら得られる(配当+優待)の金額はいくらになるか比較する。
どの株数で比較しても(配当+優待)利回りはビックカメラの方が上回っているが、同じ金額を投資した場合に株価の差からコジマの方が多く買えるはずだ。
コジマの方が優待券を多くもらえる区分になる、70万円の投資で考えてみよう。
12月11日の株価ではビックカメラは444株、コジマは619株買うことができる。単元株としてはそれぞれ400、600株になる。
2年以上保有の場合の(配当+優待)利回りはそれぞれ3.4%、3.2%となる。ここでもビックカメラの方が多くの収益を得られるとわかる。
いただける優待券の枚数は具体的には以下のようになる。
| 1年未満 | 2年未満 | 2年以上 | |
| ビックカメラ400株 | 3 | 4 | 5 | コジマ600株 | 6 | 7 | 8 |
1年未満の場合はコジマでいただける枚数はビックカメラの倍だ。2年以上になると両社の差は少なくなるが、それでもコジマの方が大きい。
しかし配当は逆になる。(配当+優待)金額は、ビックカメラ21,400円に対してコジマ20,000円となる。
個人投資家の多くは配当は再投資に回し、株主優待は消費に使っているだろう。仮に両社が株主優待をやめてその額を配当に反映させたら、ビックカメラの方がお得、という印象は変わらないと思う。しかし現状はそうではない。上のシミュレーションでは70万円の投資に対してビックカメラは年間で配当16,400円、株主優待券は最大で5,000円だ。一方のコジマは配当12,000円、株主優待券は最大で8,000円になる。
具体的な金額にすると、配当はビックカメラがいいけど、株主優待券はコジマの方がいいと思うのではないだろうか。
配当を全額再投資に回していると面白みがない。株主優待券で楽しめる消費をすることは投資を長続きさせるいい気分転換といえるだろう。だから実際に得られる利益はビックカメラが上としても、消費に使える株主優待券の多いコジマがお得と思ってしまうんだな。
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